こんにちは!Kazheyです!
前回は、潮についての基礎知識についてお伝えしましたが、今回はその続編として、以下の事をお伝えします!
- 潮と釣りの関係性がわかる!
- 潮汐表の生かし方がわかる!
- 狙いたいターゲットの潮との関係がわかる!
目次
前回のおさらい
本題に入る前に、前回の内容をかる~くおさらいしていきましょう!
・潮とは
潮汐(ちょうせき)の事で、月や太陽の引力によって引き起こされる海水面の昇降
・潮の周期について
・干満差が一番大きい大潮、中くらいの中潮、小さい小潮、干満周期が長くゆったりした 長 潮、潮が動き始める若潮がある。
・大潮から次の大潮まで30日、満ち潮から、次の満ち潮までおよそ12時間。
さて、本題です!
では、この潮と釣りの関係性はどこにあるのでしょうか。ゆっくり解説をしていきます。
潮と釣りのふか~~~い関係性。

日の出前から釣りは始まる。その理由は…
「釣り人の朝は早い」
この事は、釣りをしない方でも認知度は高いかもしれません。
2時起き3時起きは当たり前で、早ければ前日の夜から堤防に入って場所をとることも厭わない熱心なアングラー。
果たして、なぜこんなにも早く釣り人は動くのでしょうか。
「もうちょっと遅くてもいいじゃん!ダメなの?」
ダメなんです!
それは何故かというと…
潮の影響を最も影響を受けるのは…
言わずもがな、この地球上には食物連鎖というものが存在します。
釣り人である人間は海、陸、空問わずその頂点に存在しています。
そこで、人間を除いて海の世界で考えると、頂点にはサメ、マグロ、ブリ、サメ等の大型魚が存在しますね。

逆に、最も下位に存在するのが植物性プランクトンです。
下に行けば行くほど数も多く、上に行けば行くほど数も少なくなります。また、上の物が下の物を捕食するという構図も頭に入れておいてください。
この中で一番数も多く、弱い存在が植物性プランクトンです。
光合成で生きるこのプランクトンは、遊泳能力もないので、まさに流されるがままの生涯です。
その為、潮の流れに逆らう事は出来ずに、潮に漂うように移動をします。
すると、動物性プランクトンもその潮の流れに乗ってそれらを捕食します。
動物性プランクトン(アミやミジンコ、カニの幼生、ゴカイの幼生もこれに含まれます。浮遊幼生と呼びます。)は、植物性プランクトン程ではないにせよ、潮の流れに逆らう事が出来ずに海を漂っています。
そして、動物性プランクトンが潮の流れに沿って一列になった所をイワシやアジ、小鯖などの小型魚がそれを捕食するようになります…
潮は、海の生き物の大切な●●スイッチ
もう、お分かりですね。
僕らルアーフィッシングをするアングラーはこのイワシなどを模したルアーで魚を狙っています。
潮が動くことによって植物性プランクトンから大型魚まで、食事のスイッチが入るんです。
そして、潮の動きがゆったりすると、これらプランクトンが散り散りになって、それを捕食する魚も散ってしまうんです。
そうして食事のスイッチが切れてしまいます。
潮はこれら海の生き物の「捕食スイッチ」を入れたり切ったりする重要な要素なのです。

これを潮汐表に当てはめてみると、釣り人が朝早く行動する理由が見えてきますね^^
潮汐表はアングラーの大切なパートナー!その見かたとは。
ここで重要になってくるのは、潮の動きが手に取るようにわかる潮汐表です。タイドグラフとも言います。

タイムラグを読んでドンピシャのタイミングを狙え!!
潮汐表を見ると、グラフの一番低い値と一番高い値の時にカーブがゆるくなっていますね。

そのあたりがいわゆる「潮止まり」という時間帯で、ゆったりと動く、もしくは全く潮が動かない時間帯になります。
大潮の日はこの時間帯が短く、長潮や小潮の日は長くなります。
潮が動く時間帯に捕食スイッチが入るという事は、釣り人もこの時間帯を狙って釣りをすれば効率よく魚を釣ることができますよね。
この、魚が最も釣れると予測できる時間帯を「時合い」と呼びます。
この時合いを読み、大型魚を確実に釣ることが出来るか出来ないかが、釣り人の腕の見せどころです。
その時の潮によりますが、潮止まりは、干満のピークのうち、およそ1~2時間前後です。
そして、潮の動き始めや、止まる直前が最も釣れやすい傾向にあります。その為、実質の時合いは10分~長くても1時間と限られてしまう事も多いです。
そして、それは潮が大きく動く大潮ほど短く激しく、潮が緩い長潮などは、一度時合いが始まったら比較的長くダラダラと釣れ続けるような傾向にあります。
ただ、ここで肝心なのが潮汐表と実際の釣り場のタイムラグです。
潮汐表にピンポイントの場所であればあるほど正確ですが、例えば河川の河口と、河口から10km20km離れたところでは1時間~2時間ほどのタイムラグが存在します。
さらに言えば、水門の開閉や流れの強さによってもタイムラグや流れの変化も現れます。
大潮の日に至っては川が激しく逆流するくらいで、初心者の方にとってはとても釣りづらい状況にもなります。
その為、初心者のうちは中潮回りを中心に釣りをしていくほうが、釣りをしやすいのではないかと個人的には思います。
あなたのターゲットは何タイプ?ターゲットに合わせた時合いを探そう!
*この内容は傾向を表したもので、全て100%当てはまるものではないのでご了承下さい。
人間にも個性があるように、魚の捕食行動にも様々な個性があります。
特に、止まっては呼吸が出来ないマグロやカツオなどはその性質上、潮の流れに捕食行動が大きく影響されます。
逆に、生まれてから死ぬまで、ほぼその区域で生活するカサゴやメバルなどの根魚は、回遊魚のそれほど潮の影響は大きく受けないとされます。
ここでは、100%とは言い切れませんが、おおよそのターゲット別の潮による行動を書いてきます。
地球規模で動く大型回遊魚!狙うはマグロ!ブリ!ヒラマサ!
その豪快な引きや食味で大人気。常に釣り人の憧れである大型回遊魚。

それらは国の垣根を越えて常に潮が動いているエリアにいて、黒潮や親潮などの海流とともに捕食を繰り返しています。
また、海水温にも大きく影響を受けるので、岸から狙う場合は、一日の干満以外に、それらの魚に合った季節を考えて攻略していかなければいけません。
例えば、初心者でも狙いやすいソウダガツオも、夏の暑い日に外洋から暖かい潮にのって内湾に入ってきます。
特に有名な館山の自衛隊堤防や館山港などは、8月になると、それを狙う釣り客でごった返します。

館山の自衛隊堤防では8月になるとソウダガツオが回ってくる。
また、回遊魚はある程度まとまった数の集団で回遊することも特徴的です。
その為、一旦群れが入ると爆釣することも珍しくなく、逆を言えば群れが来ていなかったり、去ってしまった後はパッタリいなくなってしまう事も特徴的です。
その代わり、大潮や小潮といった潮回りと釣果にはあまり関係なく、それよりも干満の時間による時合いのほうが大切です。
岸から狙う場合は、常に聞き耳を立てて、SNSや釣具店などで群れが入った情報が入ったらすぐに釣りに出かけるなどのフットワークの軽さが釣果を上げるカギとなります。
- 潮の回遊に依存した捕食行動をする回遊魚は、釣れ始めの情報を必ずキャッチする!
- 群れで入ってくることが多いので、釣れ始めると大漁も夢ではないが、群れが去るとパッタリといなくなる。フットワークの軽さが釣果のキモ!
- 一度群れが入るとその海域にある程度居着くので、潮回りはあまり関係なく釣れるが、干満の時間は考えて釣りをするほうがよい。
純国産!汽水域の好敵手、スズキ(シーバス)

シーバスの性質はとても面白く、回遊魚のように潮にのって激しくイワシやサッパを食いあげる性質もありながら、根魚(後述)のように物陰でひっそりと捕食のタイミングを待つような二つの性格を兼ね備えた捕食行動をとります。
例えばバチ抜けと呼ばれる、ゴカイの産卵に合わせた捕食行動では、12月末~5月半ばまでは大潮~後中潮の夜。特に下げ時合いでバタバタと釣れ、30分あとにはパッタリと釣れなくなることがよくあります。
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逆に真夏の炎天下では橋脚の日陰でヒッソリと魚を待っていたり、岸際にピッタリと身を寄せて捕食のタイミングを今か今かと待っていることがあります。
そして、秋の荒食いシーズンになると、橋の明かりに小魚が集まって、それを物凄い規模の群れで激しく捕食する姿を見る事が出来ます。その場合、大潮のような潮の動きが早い日は時合いが短かったり、早すぎてルアーを通しづらいなどの弊害があります。
そのような場合、小潮や長潮の、ゆったり潮が動く日の方が沢山釣れることがよくあります。
このようにシーバスは潮の動きはもちろん、季節によっても捕食行動が大きく変わる為、その季節にあった潮回りやエサなどの要素を考えてゲームを組み立てる必要があります。
シーバスについては、季節別に潮回りと併せて後ほど解説をしていこうと思います。
- 潮にのって激しくベイトを捕食する回遊魚のような性質と、物陰にひっそり隠れて捕食のタイミングを待つ性質の両方を兼ね備えていて、シーズンや時合いによってそれを使い分ける。
- 季節によってハッキリと捕食行動が分かれるので、季節別の攻略法を確立する。
種類が豊富なのが特徴的!根魚

先述の回遊魚やシーバスと違って、産まれてから死ぬまで大きな移動はほとんどしません。
テトラポットや藻場、岩場などの影を住処にする根魚類は、積極的にエサを追い回すような事はまれで、目の前に落ちてきたエサを大きな口で捕食することが特徴的です。
もちろん、大潮や小潮などの潮回りの影響は受ける事もありますが、回遊魚や汽水性のシーバス程ではありません。
それより、1日の中での干潮・満潮といった潮の動きによる捕食スイッチのほうが顕著に影響を受けます。
根魚の場合、潮回りを読んでルアーを流すという攻め方よりも、いかに障害物(テトラや岩礁など)に丁寧にルアーを引けるかどうかで釣果が変わってきます。
逆に、潮が止まっていても比較的釣れやすい魚でもありますので、潮が動いている時は青物、潮が止まっている時は根魚と二毛作的な釣りが出来ますね^^
また、北海道から沖縄まで、幅広い地域で幅広い魚種を狙えることも特徴的です。

高級魚であるキジハタ。成長も遅いので資源の保存の為にも15cm以下のリリースが推奨されている。
固定観念は禁物、潮はあくまでも目安と考えよう!
第一弾第二弾と、潮について解説をしていきましたが、自然が相手である釣り。
これらはあくまでも傾向としてのものであり、潮が緩い日に爆釣することもありますし、大潮の日にダメダメだということは本当にザラにあります。
ただ、「潮の動きが魚の捕食行動に大きく影響を受ける」ということは、信じていいかもしれません。
潮の動いている時間帯や日にちを、海水面をよく観察しながら釣りに生かし、自分だけのとっておきメソッドを開拓していってください!
では、よい釣りを!